EV(電気自動車)やPHEVの普及に伴い、住宅や施設への充電設備設置が増えています。
しかし、単にコンセントを増設すれば良いというものではありません。
充電設備の設計は、**分電盤から始まる“電気全体の見直し”**です。
既存の電気容量・回路構成・安全性を総合的に確認し、最適な設計を行う必要があります。
🔎 ① まず確認するのは「契約容量」
充電設備を設置する際、最初に確認するのは電力契約容量です。
✔ 現在の契約アンペア
✔ 主幹ブレーカー容量
✔ 使用中の負荷状況
✔ 同時使用機器の有無
EV充電器は200V・20A〜40A程度を使用するケースが多く、
既存容量に余裕がなければ契約変更が必要になります。
容量不足のまま設置すると、頻繁なブレーカー遮断につながります。
🧰 ② 分電盤内の回路設計
次に重要なのが分電盤の構成確認です。
✔ 空きブレーカーの有無
✔ 専用回路の確保
✔ 漏電ブレーカーの種類
✔ 接地(アース)の確認
充電設備は原則として専用回路で設計します。
既存回路との共用は、トラブルや安全性低下の原因になります。
必要に応じて分電盤の増設・交換も検討します。
⚡ ③ 配線ルートの設計
分電盤から充電設備までの配線設計も重要です。
✔ 配線距離
✔ 配管方法(PF管・CD管など)
✔ 屋外露出か埋設か
✔ 防水・防塵対策
距離が長くなると電圧降下が発生するため、
電線サイズの選定も慎重に行います。
安全性と美観を両立させた施工が求められます。
🛡 ④ 安全対策の徹底
充電設備は高出力機器です。
そのため、安全対策は必須です。
✔ 漏電遮断器設置
✔ 過電流保護
✔ 接地工事
✔ 防雨・防水対策
特に屋外設置では、防水処理が重要です。
長期的な安全使用を前提に設計します。
🔌 ⑤ 将来を見据えた設計
現在は1台でも、将来的に2台目のEV導入を検討されるご家庭もあります。
✔ 容量余裕の確保
✔ 分電盤スペースの確保
✔ 配管予備ルートの設計
将来拡張を見据えた設計を行うことで、再工事の負担を軽減できます。
🏠 ⑥ 住宅・施設ごとの違い
住宅の場合と、施設・事業所の場合では設計条件が異なります。
住宅
✔ 単相200V
✔ 夜間充電中心
✔ 駐車スペースとの動線配慮
事業所・商業施設
✔ 三相電源対応
✔ 同時複数台充電
✔ 電力デマンド管理
用途に応じた設計が重要です。
🔎 まとめ
✔ 契約容量の確認が第一歩
✔ 分電盤の専用回路設計が基本
✔ 電圧降下を考慮した配線選定
✔ 安全対策を徹底
✔ 将来拡張も見据える
充電設備の設置は、単なる機器取付ではありません。
建物全体の電気バランスを整える設計作業です。
安全で安定した充電環境を実現するために、
分電盤から丁寧に設計することが重要です。